6日に開催する東京マラソンの出場者会見が4日、都内で行われ、13年ぶりにマラソンを走る新谷仁美(34=積水化学)が「日本記録を意識して3カ月練習してきたので頑張りたい」と強い決意を語った。

久々にマラソンに取り組んだ日々について「3カ月練習に取り組んだがマラソンの魅力が分からない3カ月でした。気持ちの面でも技術面でもマラソンを超える過酷な種目はない」と吐露。レース本番の取り組み方を「42・195キロの間に新しい恋人を見つけられるように頑張ります」と新谷節で述べた。

東京マラソンを走る意義について「過去の自分との決別」と断言。昨夏の東京五輪の結果(女子1万メートル21位)について「どうしても引きずっている。今後生きていく上であの結果だけに左右されて生きていくのは嫌。そんな人生を送りたくない。それを吹っ切るためにはそれ以上の結果が必要で、私の中で最大にきついマラソンにチャレンジした」と述べた。

「過去の自分」とは東京五輪の敗北に限らないといい「陸上嫌い、スポーツ嫌い、走るの嫌いという、私にとってスポーツは仕事以外の何の感情もないものになってしまっている。でも、やっぱり嫌いなものであっても自分の中では生きていく術としてやってきた仕事として心に残しておきたいので、このマラソンに懸けている」と熱く語った。

今大会後のスケジュールは「白紙」と言った上で「最近、引退選手をうらやましがる傾向にあるので、そこだけは避けられるように踏ん張りたい」とも述べた。【三須一紀】

○…男子日本記録保持者の鈴木と東京五輪女子マラソン8位の一山はレース直前という状況からか、夫婦に関する質問は冷静に受け流した。同じマラソンにおける夫婦合計タイムのギネス記録4時間27分5秒の更新について意識しているか問われると「みじんもない」と鈴木。一山も「目指していない」と語った。2人の自己ベスト合計は4時間25分25秒。互いに同一大会出場について話しているかと聞かれても「特にない」と同じ回答をして終わった。