東京オリンピック(五輪)後の国立競技場で初の国際大会となる「セイコーゴールデングランプリ陸上2022東京」が、5月8日に行われる。男子100メートルには、昨夏の東京五輪に出場した桐生祥秀(26=日本生命)小池祐貴(26)多田修平(25=ともに住友電工)らが登場する。海外勢では19年世界選手権を制したクリスチャン・コールマン(26=米国)らが参戦。国内外のトップ選手たちが火花を散らす。

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東京五輪で世界の壁にはね返された日本の短距離陣が、国立で雪辱を果たす。 花形の男子100メートルに多田、桐生、小池、そして新鋭のデーデー・ブルーノ(22=セイコー)が出場する。同大会は、東京五輪後では国立競技場で開催する初の国際大会。リベンジの場は整っている。

東京五輪では、出場した日本勢3人全員が予選落ちに終わった。誰も準決勝に進めなかったのは、76年モントリオール五輪以来、45年ぶり。200メートルも3人全員が予選落ち、2大会連続メダルを目指した400メートルリレーはバトンミスで失格。世界の前に完敗を喫した。

日本勢の巻き返しが求められる今大会。桐生はシーズン初戦となった4月9日のオーストラリアでのレースで10秒41をマークした。悪天候によりタイムは伸びなかったが、大会2連覇に向けて徐々に状態を上げていく。昨年の日本選手権で初優勝を飾った多田、小池は経験豊富。

デーデーは東海大を卒業し、4月1日付でセイコー所属となった。昨年の日本選手権で2位となり一気にブレークした22歳が、台風の目となる。

海外勢もそうそうたるメンバーが名を連ねた。目玉はコールマン。ドーピング規定違反で東京五輪は不在だったが、今年3月に世界室内選手権に参戦した。60メートルに出場し、東京五輪100メートルで金メダリストのヤコブス(イタリア)を相手に、1000分の3秒差と僅差で敗れたものの2位に立った。復活に向けて着々と歩みを進めている。日本勢がコールマンら世界のトップ選手にどれだけ対抗できるか、大きな見どころになる。

今季は7月に米国で初めて世界選手権(オレゴン)が開催される。2年後の24年パリ五輪に向けて、男子短距離陣が大舞台で弾みをつける。