8日に国立競技場で「セイコーゴールデングランプリ(GGP)陸上2022東京」(日刊スポーツ新聞社共催)が行われ、国内外のトップアスリートが集結する。連載「国立から世界へ」では、注目選手を紹介する。第2回は女子やり投げで日本記録保持者の北口榛花(24=JAL)。東京オリンピック(五輪)で負傷した左脇腹も完治。世界選手権(7月、米オレゴン州)の決勝進出を目標にしている。

北口のスマイルがはじけた。1日の木南記念。今季初となる60メートル超えを2度マークして優勝を飾った。「(国内では)簡単に負けちゃダメだと思ってやっている」。女王の貫禄を見せつけた。

オフシーズンは長期のリハビリに向き合ってきた。東京五輪では日本勢57年ぶりの決勝進出を果たしたものの、予選で左脇腹を負傷。五輪後の冬場3カ月間は、痛みにより満足な練習ができなかったという。2カ月間はウオーキングに、1カ月はジョギングに専念。年明けの1月から、やりを扱ったトレーニングを再開した。「下半身はジョギングの土台があって(助走の)ダッシュができる。今は去年よりいい状態。あまり筋肉が落ちた感じがしない」と、療養期間も前向きに捉えている。

チェコ人のコーチ、セケラック氏に師事する。チェコからリモートで送られてくる練習メニューなどは全てチェコ語。解読できない時は「グーグル翻訳」なども使って意図を探る。セケラック氏は4月下旬から来日。GGPまでの約10日間は帯同してくれる。「リモートだと言いたいこともあまり言えてないみたいで、会ったらめちゃくちゃ(指導を)言われました。私も分からない時は分からないと言える」。直接のコミュニケーションで得られることが多いという。

世界選手権は決勝進出が目標。19年ドーハでは届かなかった。「7月まで時間があるので、しっかり練習を積めれば問題なくもっと投げられると思う」。自身が持つ日本記録66メートル00の更新も目指す。【佐藤礼征】

◆北口榛花(きたぐち・はるか)1998年(平10)3月16日、北海道旭川市生まれ。3歳で水泳を始めて、小6時にはバドミントンの全国大会で団体優勝。旭川東高1年までは競泳と陸上の二刀流。19年5月にやり投げの日本記録64メートル36を樹立し、同年10月に66メートル00と更新した。20年春に日大を卒業。昨夏の東京五輪では、日本勢57年ぶりの決勝進出で12位。179センチ。

<大会ガイド>

◆日時 8日(日)午後1時10分競技開始

◆会場 国立競技場

◆放送・配信 地上波TBS系列で午後3時から生中継。Paraviで午後1時35分頃から福島千里選手引退セレモニーまでLIVE配信。番組HPでフィールド種目、優勝インタビューをLIVE配信

◆大会HP http://goldengrandprix-japan.com