陸上男子短距離で100メートルの日本記録9秒95を保持する山縣亮太(29=セイコー)が2日、オンライン会見で現状を明かした。

昨年10月に不安を抱えていた右膝を手術し、すでに日本選手権(9~12日、大阪・ヤンマースタジアム長居)の欠場を表明。「(現在は)順調に治ってきていて、経過自体は良好。具体的に何割くらい治ったかと言われると分からないが、治療中というところです。(手術した昨年)10月は2022年シーズンも頑張っていきたいと、なるべく早く手術した。それがかなわないのは非常に残念な思い」と心境を語った。

世界選手権(7月、米オレゴン州)の参加標準記録(10秒05)を突破していないため、代表入りは厳しい状況となっている。10日に30歳の誕生日を迎える中で、23年世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)や24年パリ五輪に照準を合わせる。「僕の身近に(女子100メートル障害で1月に32歳となった)寺田明日香さんもいらっしゃって、そういった選手の活躍も間近で見ているので、そういう意味での年齢の壁は感じていない」と力強かった。

実戦から遠ざかる時間は、課題の克服にあてる。「自分はもともと、体の左右差がかなりあるタイプ。右足と左足のストライドが違う。そういったものを時間をかけて、長い年月をかけて染みついたクセを直していきたい」と語った。