日本陸連は18日、開催中の世界選手権(米オレゴン州)マラソン女子代表の新谷仁美(34=積水化学)が、新型コロナウイルスに感染したことを発表した。

日本時間この日午後10時15分からのレースに出場する予定だったが欠場する。マラソン代表では前日17日に男子の鈴木健吾(27=富士通)と、女子の一山麻緒(25=資生堂)の感染が判明して、欠場を発表していた。

大会を中継するTBSのスペシャルキャスターを務める2000年シドニー五輪女子マラソンの金メダリスト、高橋尚子さん(50)は、この日の番組内で「本人が一番悔しいと思うんですよ。ストイックにすべての練習をこなして、走ることができない」と、直前での欠場に新谷の気持ちをおもんぱかった。

さらに99年の世界選手権(セビリア)でマラソン代表として現地入りしながら、左ひざの故障で当日欠場を発表した自らの経験と重ね「私も99年のマラソンで当日欠場したので、その悔しさを思い出しました。私はケガでダメだったんですけど、これから心のケアもしっかりしてほしいと思います」と、選手のメンタル面でのケアを訴えた。

今大会の女子マラソンに出場する日本勢は松田瑞生(26=ダイハツ)1人だけになった。「彼女は東京五輪補欠で本当に苦しい思いをしてきている。この1年の思いをこの大会にぶつけてほしい。どんな条件であれ非常に安定した力を発揮できる選手ですから、必ずやってくれると信じています」と、高橋さんは期待を込めていた。