【ユージン=佐藤礼征】若き“マイル侍”が過去最高の4位入賞を果たした。2分59秒51の日本新記録に加えアジア新記録も樹立し、過去最高の03年パリ大会の7位を上回った。金メダルは2分56秒17で米国。2位にジャマイカ、3位にベルギーが続いた。

日本男子にとって19年ぶりの決勝の舞台。佐藤風雅(26=那須環境)-川端魁人(23=中京大ク)-ウォルシュ・ジュリアン(25=富士通)-中島佑気ジョセフ(20=東洋大)という平均年齢23・5歳の若い布陣が快走した。

予選は3分1秒53の好記録で、米国に次ぐ全体2位での決勝進出。同種目史上初のメダル獲得の期待が高まっていたが、惜しくも表彰台は逃した。

レース後、選手たちは悔しがった、1走の佐藤は「自分が流れをつくることができず、つとめを果たすことができなかった」。川端も「うまく位置取りができず、自分のレースが終始できなかった」と反省しきり。3走ジュリアンは「ただただ悔しい。メダルを目指していたので」。中島も「メダルを取れる実力があると信じていた。メダルしかないという気持ちで挑んだので本当に悔しい」と笑顔はなかった。

昨年の東京オリンピック(五輪)で日本記録(3分0秒76)に25年ぶりに並んだことが、大きな自信となった。マイケル・ノーマン(米国)ら世界のトップ選手と一緒に練習をするなど、ひと冬越えてスピードとスタミナに磨きがかかった。400メートルの個人種目でも佐藤とウォルシュは準決勝に進出。加えて川端、中島の若い選手も地力をつけた。

今回はメダルに届かなかったが、来年の世界選手権ブダペスト大会、2年後のパリ五輪に向け、大きなステップを踏んだ。

「まだ誰も取ったことのないメダルにフォーカスして、悔しがるのは今日までにして、次に切り替えてメダルを目指して頑張りたい」とジュリアンはメダル再挑戦を誓った。

◆佐藤風雅(さとう・ふうが)1996年6月1日、茨城県笠間市生まれ。400メートルの自己記録45秒40。

◆川端魁人(かわばた・かいと)1998年8月17日、三重県松阪市生まれ。400メートルの自己記録45秒73。

◆ウォルシュ・ジュリアン 1996年9月18日、ジャマイカ・キングストン生まれ。400メートルの自己記録45秒13。

◆中島佑気ジョセフ(なかじま・ゆうき・じょせふ)2002年3月30日、東京都立川市生まれ。400メートルの自己記録46秒07。