陸上の世界選手権(米オレゴン州)での男子35キロ競歩で銀メダルを獲得した川野将虎(旭化成)が26日に帰国した。

50キロを引き継ぐ形の新種目で2間23分15秒をマークし、存在感を放った。2位集団から最後は優勝したマッシモ・スタノ(イタリア)とデッドヒート。競り負けての2位に「スタノ選手は日本語がとても上手で、(レース後に)『おめでとう』みたいな話をしてくれました。今回は1秒差で負けてしまったんですが、この1秒差というのは大きな壁で、まだまだスタノ選手との実力の差を実感するレースになりました。優勝をたたえたいなと思ってます」と敬意を込めた。

されど1秒の心構えは、「人間力、競技力も発展途上なので」と謙遜しながらも、落ち着いて自己分析している様子をうかがわせた。「詰めの甘さが自分の弱さだと思っている」と具体的な課題も把握していた。

1月に重度の貧血を発症してから、周囲の支えを受けながら本番までたどり着けたと感謝し、「(コーチから)心の部分がレースにつながると指導していただいて、その部分の成長が今回につながったかなと思っています」と振り返った。