全国高校総体(インターハイ)で山形勢が躍進した。

男子400メートル障害では、九里学園の紺野稜真(3年)が50秒46の好タイムで日本一をつかんだ。目標の49秒台には届かなかったものの、過去5大会の優勝タイムを上回り、大一番を制した。

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優勝候補筆頭の九里学園・紺野が、高校王者に輝いた。決勝は第4レーンから勢いよくスタート。前半は「いつもよりうまく入れた」と快調に飛ばし、後半にやや失速も、2位に0秒15先着した。大学生も参加した6月のU20日本選手権で、自己ベスト、山形県記録、同県高校記録の3つを更新する50秒17で優勝。「U20も勝って、(出場選手)ランキングでも1位で、正直、勝たないといけないと思っていた。勝ててホッとしています」と胸をなで下ろした。

高校1年の秋頃、10台の障害をそれぞれ歩数15歩で越える絶対的スタイルを築き、それを貫いた。「自分の走りをすれば勝てると思っていました」。目標の49秒台には届かなかったが、強気にレースを支配した。

白鷹中3年時に出場した19年の全日本中学選手権(全中)4種競技で日本一になるも、高校入学後は好成績を収められず、苦しんだ時期もあった。「3年目で結果を出すことが一番大事だと思い、これまでのことは忘れて、今年の大会は1戦1戦、勝つということを目標にレースを走ってきました」。U20日本選手権を皮切りに各大会で高パフォーマンスを発揮。全国総体では400メートル障害を制し、残り日程では110メートル障害、1600メートルリレーの2種目に出場する。

「ヨンパー(400メートル障害)優勝の目標は達成できたので、あとはマイルリレー(1600メートルリレー)とトッパー(110メートル障害)があります。マイルではチームのために走り、トッパーは(個人)2冠を目指しているので、13秒台で優勝を目標に頑張りたいです」

日の丸を背負うことを夢見る17歳だ。「日本代表になって世界で戦うのは目標の1つです」。その上で「国内でまずは勝ち続けられる選手になりたいです」。全国総体で個人2冠を達成し、世界に羽ばたくためのハードルを1つ1つ乗り越える。【山田愛斗】