個人3種目に出場した7月の世界選手権後では初のレースに臨んだ田中希実(豊田自動織機)が、大会新記録の2分4秒14で貫禄の優勝を果たした。

23年世界選手権ブダペスト大会に向けて、再出発を切った。

100メートル過ぎから先頭で引っ張り、1度も譲らずにフィニッシュした。7月に米オレゴン州で行われた世界選手権では、800メートル(予選敗退)、1500メートル(準決勝進出)、5000メートル(決勝12位)の3種目に出場するなど奮闘。レース後は「世界陸上では悔しい思いもしたので、少しでも世界のトップに近づけるようにしたい」と話した。

10日間で5レースに出走した世界選手権から2週間。「トレーニングはあまりしなくて、1日軽くジョグするくらいでつなげてきた」と、基本的には休養に充て、北海道旅行を楽しむなど心身ともにリフレッシュしたという。今後の照準については「直近の世界大会だと来年のブダペスト(世界選手権)」と明言。「それまでに、いろいろやらないといけないことがある。標準(記録)も上がっている。国内からし烈な戦いになってくる。足元を固めないといけないし、これから伸びてくる世代もあるかもしれない。日々の1回1回の練習を向き合っていくしかない」と見据えた。

複数種目への挑戦に関心が集まる。今後の方針については「まずは標準記録を出して選択肢をつくること(が大事)。できるだけ多くの種目で権利を取らないと、この種目に絞る、全部に出るとかは言えない」と話した。