陸上10種競技の右代啓祐(36、江別市出身)が21日、北海道江別市の北翔大で開かれた室内直走路完成式に出席し「競技スポーツにおけるフィジカルトレーニングの方法」をテーマに講演を行った。

講演の前半は、同大陸上競技部の北風沙織監督(37)とともに、陸上競技部や硬式野球部、卓球部などの学生ら約60人を前にトークセッションを行った。自身の成功体験など、経験を踏まえながら、約50分間熱弁をふるった。

後半は新設された室内直走路を使って、ウオーミングアップ、フィジカルトレーニングの方法など実技を交えながら、学生たちに直接指導。終盤には逆立ち歩きも披露し、拍手を浴びた。講演の最後に「冬にしっかりとフィジカルを鍛えた上で、春に迎えた試合で花が咲くことを願っています。私もこの冬しっかり体力を上げて、リベンジしたいなという思いがあるので頑張ります。またどこかで会った時は対決しましょう」と笑い、メッセージを送った。

同大体育館2階に完成した約60メートルの室内直走路は、今年1月に就任した北風監督の希望もあってつくられた。冬期間は室内での練習になるが、廊下は滑りやすく、足首をひねるなどのケガにもつながりやすい。同監督の声を聞いた大学同窓会伊藤みどり会長(75)の「なんとかしなきゃいけない」という思いもあり計画が進められ、ウレタン舗装の走路が9月上旬に完成した。

北風監督は「北海道は冬が一番の問題になる。よりいいパフォーマンスができるように使用していけたら」と話した。右代の講演には何度もうなずきながら耳を傾け「なかなか北海道で陸上のオリンピック選手の話を聞ける機会はないと思う。右代さんのトップレベルの話を聞けて、フィジカルトレーニングの方法を教えていただいて、学生にとっては本当にこれから先につながるきっかけになったのではないかと思います」と感謝した。

右代は「北海道にこんなに素晴らしい施設ができるというのは喜ばしいこと。北翔大から世界に羽ばたくようなアスリートが1人でも多く、北風監督のもとから育っていってくれたら」と願った。