陸上男子1万メートルで、昨夏の世界選手権代表の田澤廉(22=トヨタ自動車)が、酷暑のタイでの好走を誓った。

9日、アジア選手権(7月12~16日、タイ・バンコク)への出発前に羽田空港で取材対応。「ワールドランキングで27番以内に入るポイントがほしいので、そのためには27分台で優勝することが条件だと思う」と、8月の世界選手権(ブダペスト)代表入りを見据えたレースを思い描いた。

今年1月の箱根駅伝で駒澤大の3大駅伝3冠に貢献した田澤は、3月に米国の大会で27分28秒04をマークするなど、今季は27分台を3度記録している。

5月に2レースに出場し、6月19~26日には長野・菅平高原で合宿を敢行。その後は練習量を落として調整した。「疲労がたまってきていたので、合宿で追い込んだ時にドっときたんですが、今は抜けてきている」とうなずいた。

卒業後も駒大を拠点とし、同大学の大八木弘明総監督の指導を受ける。学生時代の関係性からの変化は「全くないですよ」と苦笑い。ただ、実業団に入ったことで、“おとなの対応”にシフトしており「やっぱり社会人として見てくださっているかなという感じはあります」と自身の判断が尊重されているという。

アジア選手権の開催地タイは気温30度以上の高温で、湿度も80%以上と予想されている。過酷な気候条件で「苦手」と吐露したが、「ある程度落ち着いた湿度と気温であれば、1人で27分台は全然出せると思う。その力はあると思う」と言い切った。どんなレースでも力を示し、2大会連続の世界選手権切符をつかみとる。【藤塚大輔】