初出場の山下一貴(26=三菱重工)が残り5キロを切ってからアクシデントに見舞われ、2時間11分19秒で12位となった。入賞圏内で38キロを過ぎたが、左ふくらはぎや右足をつり、順位を落とした。13年モスクワ大会5位の中本健太郎以来、日本勢5大会ぶりの入賞を逃し「なかなか難しい」と受け止めた。

前半で先頭集団に食らいつき、30キロすぎには約10人の集団の先頭にも立った。3月の東京マラソンで日本歴代3位の2時間5分51秒をマークした26歳は「見る人も面白い」と高ぶったが、38キロ過ぎで左ふくらはぎをけいれん。40キロ付近でも足が止まった中「ゴールしないと」と走り切った。あと1歩で入賞を逃すも「あの位置で走れて、日本人も戦える。(三菱重工の)みんなの自信になったらいいな」と笑顔だった。

初の世界舞台を終え「また帰ってきたい。次はメダルを目指したい」。10月15日にはパリオリンピック(五輪)代表を懸けたマラソングランドチャンピオンシップ(東京・国立競技場発着)が控える。「出場予定なので、暑さ対策もちゃんとして焦らずにいきたい」。初の五輪切符獲得へ、ブダペストでの経験を生かしていく。