日本インカレの男子100メートル決勝で、仙台大・大上直起(大学院2年)が10秒22(追い風0・4メートル)で2位に入った。優勝した今夏世界選手権代表の東洋大・柳田大輝(2年)とは0秒04差。自己ベスト10秒15の更新はならずも、堂々の成績を残した。八戸学院大・灰玉平(はいたまたいら)侑吾(3年)は転倒により、無念の途中棄権となった。
仙台大・大上が最後の日本インカレで飛躍した。大学、大学院の6年間で初進出となった100メートル決勝。中盤以降にペースアップする「勝ちパターン」で隣のレーンを走る東洋大・柳田を猛追した。世界選手権代表とゴール直前まで競り合い、最後は必死に胸を突き出したが、0秒04及ばず2位。「めちゃくちゃ悔しい。決勝で緊迫した中で自分の走りができたつもりだったんですけど、最後勝ちきれず、まだ力が及ばなかったのかな」と受け止めた。
リベンジの舞台だった。大学4年時に出場した同じ熊谷開催の日本インカレは準決勝敗退。「自分の走りだったりを研究し、記録向上につながるきっかけを得られれば」と大学院に進んだ。昨年も準決勝の壁を越えられなかったが、競技力向上の手応えをつかむ1年になった。前半にリラックスしながら加速し、中盤から一気にギアを上げるスタイルを確立。それが結果に結びつくようになった。
成長する上で刺激を受ける存在がいた。同じ岩手出身で大上より前に岩手県記録(10秒30)をマークしていた八戸学院大・灰玉平だ。「灰玉平君の記録を塗り替えたいと悔しい気持ちでやっていた。どんどん高め合っていければいい」。これからも切磋琢磨(せっさたくま)していく。
久慈東時代の自己ベストは11秒05だったが、10秒15(現岩手県記録)まで記録を伸ばした。「高校時代の自分からすると想像もできないような今の成長」とトップスプリンターの仲間入りを果たした。修士論文は、自身と他の選手を比較した加速局面をテーマに書く予定で、卒業後も陸上競技を続ける。「今回の経験を糧にして、少しでも自己ベストを更新することが目標です」。大上はまだまだ進化し続ける。【山田愛斗】

