日本記録保持者の落合晃(こう、18=滋賀学園)が同種目日本人初の決勝に臨み、1分47秒03で銅メダルを獲得した。
優勝のアヤンザ(エチオピア)には0秒17及ばなかったが、世界陸連主催の世界大会でのメダル獲得は日本勢同種目初の快挙。来年9月の世界選手権東京大会の参加標準記録まで0秒30と迫る自己ベスト(1分44秒80)を保持する高校3年生が、シニアの世界舞台での活躍へ大きな1歩を刻んだ。
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落合が終盤で強さを示した。中盤で位置取りに苦戦し、残り200メートルでは6番手に後退。それでも最後の直線で、粘り強く前を追った。身長165センチと小柄ながら上半身のブレが少ない走りで、体の大きな海外勢3人を抜き去った。
自身初の世界大会で銅メダルを獲得。「すごく良い経験ができた」と声を弾ませた。ただ同時に、世界との差を感じた。「3位という結果は悔しい」。決して満足はしない。その姿勢を貫いてきたからこそ、強くなった。
昨夏の全国高校総体(インターハイ)を大会新記録の1分47秒92で制すと、目標をパリ五輪へ定めた。出場には参加標準記録(1分44秒70)の突破と今年6月の日本選手権優勝が条件。タイムを3秒以上も縮める必要があったが「0・0何%の可能性かもしれないけど、チャレンジが大切」と決意は固かった。練習では1分44秒を切るペースに設定。実際に43秒台で走る力もつけていた。
迎えた日本選手権では初優勝をしたものの、標準記録には1秒86届かず。レース直後はトラックに座り込み「すごく悔しい」と両手で顔を覆った。悔しさをあらわにした。
ただ落合は、そこで止まらなかった。1カ月後の全国高校総体では1分44秒80の日本新記録で2連覇。レース展開によってタイムは変動するため単純比較はできないものの、23年世界選手権銅メダル相当の好記録を残した。「(パリの標準記録を)絶対に切るという思いでやってきたから日本新を出せた」と自信を深めた。
今回のU20世界選手権でも、悔しさが心を占めた。その感情を次への原動力とする。「来年は世界陸上が東京である。結果を残せるように、努力をしていきたい」。男子800メートルで世界選手権に出場した日本人は2人のみ。次はシニアの舞台で新たな歴史を切り開く。
◆落合晃(おちあい・こう) 2006年8月17日、滋賀県高島市出身。小学生でトライアスロンに取り組み、今津中で陸上部へ入部。中3時の21年JOCジュニアオリンピックカップU16男子1000メートルで4位。22年4月に滋賀学園高に進学し、同10月のとちぎ国体男子少年共通800メートル8位。23年8月の全国高校総体で初優勝。24年4月のU20アジア選手権優勝。同6月の日本選手権で初優勝。同7月のインターハイでは14年に川元奨、21年に源裕貴がマークした日本記録(1分45秒75)を大幅更新する1分44秒80で2連覇。身長165センチ。
◆男女800メートルの25年世界選手権への道 来年7月上旬に開催予定の日本選手権までに参加標準記録を突破し、同選手権で3位以内に入れば内定。世界ランキング次第でも代表入りの可能性がある。参加標準記録は男子が1分44秒50、女子が1分59秒00。出場となれば、男子は11年大邱大会の横田真人、女子は22年オレゴン大会の田中希実以来となる。

