初めまして、スポーツアンカーの山田幸代です。

これから、ニッカンスポーツ・コムのコラムメンバーとして、Joinさせていただくことになりました。

なにとぞよろしくお願いいたします。


山田幸代
山田幸代

まずは、簡単に自己紹介をさせてください。

私は、1982年生まれの38歳で、ラクロスというマイナースポーツのプロフェッショナルとして、現在も活動しています。そして、そのラクロスを通じて世界で活躍するたくさんの選手の皆さんと接点を持たせていただき、そこから学んだことを、スポーツアンカーとして伝える仕事をさせていただいております。

日本では、まだなじみの薄いラクロスですが、世界では、アメリカを中心に広がってきているスポーツです。4年に1度、ワールドカップが開催されており、世界では現在63カ国の国が加盟しています。


元々、カナダ含む北米のネイティブアメリカンの格闘の儀式として始まったスポーツで、日本では、現在2万5千人ほどの競技人口がいます。

私も京都産業大で2001年からラクロスをはじめ、2005年には日本代表としてワールドカップに出場し、5位に。その後、「子供たちの夢の1つにラクロス選手になりたいと言ってもらえるようなスポーツにして、子供たちのスポーツの選択肢を増やしたい!」という思いから、プロ規定のなかった中、ラクロスだけで生活をしている選手になり、普及に尽力したいとプロ宣言し、プロラクロスプレーヤーとなりました。


日本代表として出場した世界大会では、世界の壁を痛感し、思ったような結果を得ることができませんでした。

では、世界トップレベルの国と日本との違いが何なのか。ということを見つけ出したいと思い、世界の強豪国であるオーストラリアに移籍をしました。

ラグビーのように、違う国へ移籍をすることを人生で1度だけ許されているラクロスの規定を使い、2017年にはオーストラリア代表としてワールドカップ、ワールドゲームズという世界大会に出場し、ワールドゲームズでは銅メダルを獲得しました。

オーストラリア代表になるまでには、さまざまな悔しい経験をしてきましたが、2カ国以上でプレーを経験してきている中で、学んできたこと、感じてきたことがいくつもあります。

その中から、文化や生活の違いやリーグやチーム内の日本での当たり前の違いなど、みなさんにぜひお伝えしたい「海外選手の他国での挑戦」というテーマで発信させていただきたいと思っています。


取材をして、選手たちへインタビューをさせていただいた中から、自らの感じることや、お伝えしたいことをまとめ、この場所でみなさんと共有をしていきたいと思います。


なぜ、海外の選手に特化したコラムにしたいのか。それは、海外の選手が自国でプレーするのではなく、他国で挑戦することがどれほどの覚悟が必要で、大変なことなのか、を自らが実感したからです。また、その中で結果を出すためには自分の変化を怖がらないことを学んだり、環境との調和などがいかに大切か、また自らの芯を貫かなければならいない場面など、たくさんの意思決定が必要なのです。


 
 

私は2007年、オーストラリアにチャレンジしたいと思った時に、英語が全くできなくて、それでも「何とかなるだろう」と、甘い考えで海を渡りました。子供の時からずっと、チャレンジすることが好きで、頑張ったら頑張っただけ結果が出るものなんだろうと信じてやり続けてきました。楽観的な性格なんです。

しかし、言葉が伝わらない、わかってもらえないという“ランゲージバリアー"は、想像以上に高い壁でした。生まれて初めて「なんともならないこともあるのだ」と実感させられたのです。

海外挑戦で大きな期待とワクワク感の中で飛び込んだ私でしたが、とても悔しい思いや、苦労もすることになりました。

例えば、私生活の面でも、アイスクリーム屋さんに行ったときに「バニラアイスクリーム」を注文しても「チョコレートアイスクリーム」が来てしまったり、チームメイトが「月曜日の練習会場はスタジアムだよね?」と聞かれたときに、何を聞かれているかわからず何でもかんでも「イエス!イエス!」と答えていたので、本当は練習がお休みの日だったのに、違う情報を与えてしまったり。本当に、迷惑をかけてしまったことや、思うように私生活を送れなかったりと大変な経験をしました。


それほど、「言葉」という伝達ツールは、必要不可欠で、スポーツの中でも絶対に無くせないものなんだということです。

ラクロスがマイナースポーツだから通訳を帯同できないことが問題なのではなく、自らの言葉でどれだけコミュニケーションが取れるかということが、大切だと海外経験から学びました。


日本にも、野球、サッカー、バレーボール、バスケットボールなど、さまざまなスポーツで海外から選手が来日し、各チームに加入しています。

しかし、その選手たちもとても大きな苦労や、日本の文化でわからないことがあったり、またはチームに対して、国に対して期待をすることなど、本人の中で考えていること感じていることがたくさんあるのだと思います。


自分の経験を踏まえて、海外からの選手たちへたくさんのことを聞いていきたいと思い、このコラムでのキーテーマとさせていただきました。


このコラムを通して日本の文化に触れ、日本のスポーツを盛り上げてくれる海外からのスーパースターたちのアスリートとしての、また人としての素晴らしさをお伝えできればと思います。

そして、現役アスリートとしてしか聞けないことやマイナースポーツだからこそ知りたいメジャースポーツの苦労など、いろんな視点からスポーツアンカーとして、みなさんに真意をお伝えできるよう頑張りますので、ぜひよろしくお願いします。

(スポーツアンカー 山田幸代)