どーもです。PINGのニューモデル「i59」アイアンを試打出来ました。ブレーードアイアンを標榜していますが、同社にはマッスルバックの「ブループリント」アイアンがありましたよね。「ブループリント」アイアンは、ボクには難しくて使えそうにない代物でしたが、果たしてこの「i59」アイアンはボクでも使えそうなのでしょうか? 早速いってみましょう。


PINGのポリシーとして、「先代を上回るものでなければ、新製品は出さない」があります。先代は「iBLADE」アイアンだと思いますが、実に5年ぶりになるわけですよね。メーカーいわく「打感、操作性、美しさを兼ね備えた、これまでの常識を覆す新構造ブレードアイアン」のようです。


まずは見た目からいってみましょう。


バックフェースを見る限りは「iBLADE」よりも「ブループリント」を思わせますね。

フェースは小顔。形状的には「ブループリント」よりに見えました。「iBLADE」よりもネック側の縦幅が低く、トゥが立ったような感じ。でも、「ブループリント」よりも確保されている感じかな。なお、ボディとフェースに間には「アルミ・コア・インサート」を配置し、最適な重心位置とソリッドな打感を実現しているんだとか。また、「ブループリント」で13本だったミゾが17本に増設。もちろん、ミゾの角度や間隔も最適化を計り、さまざまシチュエーション、特に濡れた芝でも適したスピン量の確保が可能になっているようです。

ソール幅は薄め。ネック側ブループリントと同じような幅ですが、トゥ側バックの厚さが確保されている感じでした。

ネックはほぼストレート。ボディですが、まだ「iBLADE」のころは、まだトゥ側にウエート装着の概念が具現化していなかったように思います。「ブループリント」と比べると、ややファットな分、重心深度が確保されていそうです。

構えてみるとこんな感じ。トップブレードがかなり薄く、ブレードアイアンたる由縁を嫌でも実感させられました。でも、個人的にはキライじゃない!! フトコロの見え方が「ブループリント」ほどシビアじゃなさそうかな。より、つかまえられそうなイメージでした。

今回試打したのは、日本シャフト製スチールシャフト「NSPRO MODUS3 TOUR115」Sフレックス装着モデルの#7。スペックは、ロフト角34度、ライ角62度、長さ37インチ、総重量429.4g、バランスD2。シャフトスペックは、重量118.5g、トルク1.6、元調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用。


持ってみた感覚ですが、重量的にはいい感じ。グリップもいい感じの太さでしたが、ボクは太めが好きなので、一般的にはやや太めかもしれません。素振りした感覚では、かなりシャープに振れそうな印象でした。


実際に打ってみると、まず驚いたのは打感でした。この手のアイアンは「柔らかめ」という固定概念がありましたが、結構カッチリした感じ。メーカー的にも「ソリッドな打感」とうたっていますが、ゴルフ体験主義的ソリッドと少々違って、結構カッチリ感がしっかりした感じでした。中空モデルの中身が何か詰まっているようなイメージでしたね。でもこれが不思議で、「硬いじゃん!!」という感覚ではないんですよね。また、さすがにブレードアイアンというだけあって、操作性は抜群。いつも通りのスイングならつかまった感じのハイドロー。気持ちカット気味を意識してほぼストレート。その意識を強めるとボクでもフェードが打てました!! 


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

各球データはこちら。


【3球平均】

HS37.8m/s、初速48.3m/s、打ち出し角19.3度、バックスピン量5549.2rpm、サイドスピン-987.3rpm、飛距離164.3y

【ベスト】

HS38.2m/s、初速48.7m/s、打ち出し角19.9度、バックスピン量5761.5rpm、サイドスピン-912.9rpm、飛距離165.2y


打感は前述通りなので、ここでは割愛します。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこちら

弾道的には高弾道ですね。この手のアイアンにしてはしっかり球が上がるイメージで、打ち込むイメージは不要。恐らくレベルブローに打てれば、球は上がると思います。この辺はブレードアイアンを掲げつつも、最低限の扱いやすさを実現していると思います。スピン量は、ロースピン化の流れの中では、良い感じに確保されていたように思います。そもそも、そういうアイアンではないですいけど!


出球傾向は、ボクのスイングでドローやや強め。つかまりはいい感じで、ボク的にはややカット気味を意識してほぼストレートからいい感じのドロー系が打てました。付け加えると、プッシュアウト傾向が強いボクが、右に打ち出そうとしても右に打ち出しにくい感じはありました。


シャフトフィーリングですが、ぶっちゃけしなりはそれほど感じません。恐らく切り返しで少しは手元がしなっているとは思いますが、今回の試打ではとにかくシャープに振り切れる印象が強かったです。


今回ボクが試打した限りでは、このスペックで最低でもHS42~43m/sは欲しい感じかな。ブレードアイアンということですが、その時点である意味見た目もシビアだし、操作性もシビアで、いわゆる飛び系やオートマチック系アイアンとは一線を画するモデルだと思います。実際、操作性も高いのですが、唯一オートマチック性に感じたのは球の上がり方でした。ボクは球の上がりやすさが使いやすさの最優先事項と思っているので、その点においては使いやすさはあります。ですが、スイングのミスや意図しないスイングの差にもリニアに反応するので、ミスがミスとして返ってくるモデルであることも間違いでしょう。そもそも、ブレードアイアンとしては「思い通りに弾道を操る」ということも狙いですからね。


ボク的には、最低限の扱いやすさで操作性を兼ね備えたモデル。「iBLADE」アイアンを「狼の皮をかぶった羊」と形容しましたが、この「i59」アイアンはそこまでのやさしさは感じませんでした。でも、「BLUE PRINT」のような完敗感もありませんでした。どちらかと言えば「BLUE PRINT」よりですが、よりアスリートマインドモデルかなって思いました。

<PING「i59」アイアン>

■KAZ’sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:8▽上がりやすさ:9▽操作性:9▽構えやすさ:9▽打感の柔らかさ:8▽ミスの許容度:9

■ヘッド:ボディ=1025カーボンスチール、フェース=17-4ステンレススチール、インサート=ADC12

■価格:スチールシャフト「NSPRO MODUS3 TOUR115」「同105」「NSPRO950GH neo」「同850GH neo」装着モデル1本3万8500円、「DG EX TOUR ISSUE」装着モデル1本4万700円。カーボンシャフト装着モデル1本4万1800円。※税込み価格