日本女子ゴルフ界の歴史がまたひとつ動いた。今年のニトリ・レディース(8月26~29日、北海道・小樽CC)のコースセッティングが変更され、昨年から80ヤード伸びて18ホール計6775ヤード(パー73)に。これは88年のツアー制度施行後、最長だという。
大きく距離を伸ばしたのはグリーン前の池が特徴の16番。従来のパー4(421ヤード)に加え、79ヤード伸ばしたパー5(500ヤード)のセッティングも使い分けるという。男子では時折みられる方式だが、日本女子プロゴルフ協会によると、国内女子ツアーの試合でこうした使い分けを行うこともツアー制度施行後、初だという。
狙いのひとつが世界基準の選手育成。今大会のコースセッティングを担う塩谷育代氏は「全米女子オープンやAIG全英女子オープンなどを見ても、日によって大きくティーイングエリアを変えたり、グリーンが硬くなったり、選手が試されているようなセッティングが多いように感じます」と話し、「我々には世界に通用するような選手を輩出させる使命があります。日本ツアーでも対応力を重視していく考えです」と思いを語った。
もともと小樽CCの16番は池のほか、海沿いの強風なども選手を悩ませるタフなコース。塩谷氏によるともともとこのホールは2グリーンのパー5だったものを1グリーンのパー4に変更しているといい「設計者の意図を考えると、それ(パー5)もありだと思っています。そんなことも考えてのパー5です」と説明した。
加えて「やはり池越えを考えると、(パー4では)どうしてもピンを切る位置が決まっていってしまう」とも語り「パー4の時は風向きによりますが、パー5の時はおのずと厳しいピンポジションになる。2つの特徴の差を思い切って出してみたいなという意図もあります」と話した。
選手もこの初の試みに対応すべく、16番での練習ではティーショットを打ち分けて回ったりと対策に考えを巡らせた。地元北海道出身で小樽CCにも詳しい藤田光里は「16番はミドルホールのイメージが強かった。ロングになって無理してバーディーを狙うと、(わなに)はまりそうだなと思いました」と慎重に話した。
塩谷氏は16番の打数を含め、セッティングは当日朝ギリギリまで考える構え。パー5となれば選手によってはイーグルも狙えるホールになるかもしれないが、当然ピンポジションは厳しくなり、他のホールの難度も上げて調整も行うという。普段は設定している優勝スコアも今大会は「決めないでいきます」。今年最後となる北の大地での決戦。コースセッティングの観点から見ても面白い戦いになりそうだ。【松尾幸之介】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)


