新たな数字も視野に入ってきた。11年プレーヤーズ選手権のビッグタイトルも獲得している崔京周のアジア人最多8勝。「4から8に一気に跳べるんだったら楽ですけど、跳べないので。1つでも多く優勝できるように頑張りたいなと思います」とこれまで通り一戦必勝の構えで戦う覚悟を強調するが、あっさりと塗り替えてしまいそうな勢いだ。

 フェニックス・オープン開幕前、前週ツアー復帰を果たしたタイガー・ウッズ(米国)が話題に上ったことがあった。「僕はまだ3勝。(ウッズの米79勝まで)あと76勝? 無理ですよ。年間10勝を7年続けないといけないんだから。きついでしょう。ため息出ますよ」と笑っていた。しかし「なら年間5勝」という問い掛けには「無理でしょ」と言った後で「いや、分かんないけど」と含みを持たせていた。

 膨らみ続ける周囲の期待をよそに、松山自身のスタンスは全くぶれない。その頼もしさが、さらなる期待を生む。【亀山泰宏】