【アクロン(米国)=亀山泰宏】昨年大会覇者の松山英樹(26=LEXUS)は1イーグル、2バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの72とスコアを落とし、通算1オーバー281の39位で大会を終えた。スタートから5ホールで4つ伸ばしながら、6番のダブルボギー以降失速。歯がゆさいっぱいでメジャー最終戦、全米プロ選手権(9日開幕、ミズーリ州)へ向かう松山の現状をプロゴルファー田中秀道(47)が分析した。ジャスティン・トーマス(25=米国)が15アンダーで世界選手権シリーズ初V。今季3勝目、ツアー通算9勝目を挙げた。

<田中秀道が現状分析>

 松山選手のプレー内容自体は、良くなってきていると感じます。それを踏まえた上で思うように結果が伴わない現状を考えると、スイングに対しても、マネジメントに対しても、自分を許す領域を少し広くしてもいいのかなと思ってしまいます。ストイックな選手ですから、なかなか難しいでしょうけどね。

 気になる点があるとすれば、ここ3試合全て違うドライバーを使っていることです。フィーリングに合うものを探す過程でつらいとも思いますが、ドライバーが替わることでスイングにも察知しにくい変化が生まれたりもします。それによって、やりたいことと起きていることに距離が生じているだけかなと思います。もちろん、本人が一番、14本をバチッと決めたいと思っているはずでしょうけどね。道具選びに使う時間がなくなることが成績にもつながってくると思います。

 全て100点満点のショットを打とうとする必要はありません。納得いくショットじゃなくても、十分勝てるレベルにいる選手だと思います。低い点数を目指せという意味ではなく、松山選手の立ち位置や性格を考えれば簡単ではないでしょうが、いい意味での開き直りがあってもいい。今の状況はトップ選手なら誰でも起こり得ることです。苦しいでしょうが、次のステップに進むための大事な時間と捉え「松山英樹」をもっと信じてほしいと思います。(プロゴルファー)