松山英樹(28=LEXUS)が、17年ブリヂストン招待以来3年ぶりの米ツアー6勝目に王手をかけた。3位スタートのこの日、1番パー5(626ヤード)でバンカーからカップインさせるイーグルを奪い、その後2バーディー、3ボギーの69。世界ランク1位ダスティン・ジョンソン(米国)と並び、通算1アンダーの首位に浮上した。2打差3位にはアダム・スコット(オーストラリア)ら3人が並んでいる。

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1番パー5。残り300ヤード、松山は3番ウッドで2オンを狙い、グリーン左前バンカーに捕まった。しかし、ピンまで約10ヤードを放り込み、イーグルを奪取。「後は楽にプレーができた」と流れを作り、3ボギーを喫しながら、2バーディーを奪っての69。スコアを1つ伸ばした。通算1アンダーで、ジョンソンと並ぶ首位タイにつけた。

「ショットが曲がって、必死でパーをとり続けた感じ。一緒に回ってるDJ(ジョンソン)は、いとも簡単にチャンスを作って。あんなゴルフをできれば楽なんでしょうが…」と苦笑いで1日を振り返ったが、粘ったことに値打ちがある。

54ホール終了時でのアンダーパー2人はメジャーを除き、米ツアー過去20年で初めて。狭いフェアウエーに深いラフ。容易にスピンが効かない硬いグリーン。ひと昔前の全米オープンを思わせるハードセッティングだ。

前週のザ・ノーザントラストで通算30アンダーと“爆勝”したジョンソンが苦しむ我慢大会で、松山の小技がさえる。パーオン率はジョンソンの68・5%(出場選手中3位)に及ばない50%(同57位)でも、スコアは同じ。この日は6度も“寄せワン”を決めた。

最終日に向けて「そんなに(ゴルフが)よくなるとは思えないけど、頑張った結果が出れば…。アプローチはすごくいい。ティーショットとパットがうまくいけば、チャンスはあると思う」と話した。

今大会から「いいものが出始めている」と、新しいドライバー(スリクソンZX5)とパターを投入、ある程度の成果を出しつつある。あくなき探求心と我慢の先に、3年ぶりの米ツアー優勝が待っている。

▽ダスティン・ジョンソン(松山と同じ69で首位タイ)「明日も今日と同じでフェアウエーに打つことが重要。そうしないとショットがコントロールできない。ヒデキのショットもよかったよ」

◆フェデックス・カップ・プレーオフ 8月中旬のウィンダム選手権後、シーズン獲得ポイント上位者がザ・ノーザントラスト(125人)BMW選手権(70人)最終戦ツアー選手権(30人)の3試合で年間王者を争う。最終戦はポイント1位=10アンダー、同2位=8アンダー…26~30位=イーブンパーなどのアドバンテージを持って開始、優勝者はボーナス1500万ドル(約16億5000万円)を獲得する。