2月に第1子の男児を出産した横峯さくら(35=エプソン)が26日、20年11月以来となる復帰戦のリゾートトラスト・レディース(27日~30日、愛知・セントクリークGC)の会見に出席し、新スタイルでの復活Vを誓った。

2月4日に長男の桃琉(とうり)君を産んでから約4カ月。横峯がゴルフ場に帰ってきた。国内ツアーのシード権は持っていないため、今回は主催者推薦での出場。「早く復帰したいなとは思っていました。いつ推薦をいただけてもいいように準備をしていたという流れです」。復帰時期は予定していた8~9月から3カ月も短縮。急ピッチの調整にはなったが「調子自体は妊娠前よりもいい」と充実感もにじませた。

試合会場では選手らから祝福の声をかけられ、復帰の早さにも驚かれたという。それでも15年から主戦場とし、会場に託児所が設けられるなどママさんゴルファーの多かった米ツアーではよくあることだと語り「私の中ではあんまり早いなという感じはないですね」と冷静に話した。

早期復帰を実現させた要因には基礎からのスイング作りを挙げた。産後1カ月で振ったドライバーのキャリーは180ヤードほどで妊娠前の平均230ヤードから大きく落ち込んでいた。それでも「すぐにスイングをしてしまうと、どこかを痛めたり、あとで響いてきたりする」と焦らずに姿勢の修正から着手。理学療法士のアドバイスも受けながら、出産で開いた骨盤や、おなかの重みで、かかと体重になっていた点などを修正。軸をしっかりと固めた上で徐々にペースを上げたことが結果として近道につながった。

今後はシード権を持つ米ツアー復帰の道も探っていく。練習に集中できる環境を整えるため、母乳は出産後2週間でミルクへと切り替えた。夜中の息子のオムツ替えとミルクはキャディーを務める夫の森川陽太郎氏が担い、横峯の睡眠時間確保をアシスト。9~10月の米ツアー復帰を目指しているといい「環境は整っているので、子どもも連れて行きます」とママの顔で答えた。

出産前後でスイング時のボールのとらえ方なども大きく変わった。それでも「手応えはいいです。ニュー横峯さくらでいきたい」と自信もみせる。後輩たちへ向けては「私も米ツアーで(ママさんゴルファーに)勇気をもらえた。私も若い世代の子たちに何かを伝えられたり、感じてもらえたらうれしいなと思います」と思いを込めた。

大会中は会場から車で45分の場所に一軒家を借り、夫の両親が息子の面倒を見るという。今大会の目標を聞くと「やっぱり出るからには優勝を目指します」と言い切った。愛する息子へ勇姿を届ける。「かっこいいママでいたいという思いが強いので、しっかり成績を残す姿を見てもらえるように頑張っていきたい」。さくらママの挑戦がいよいよ幕を開ける。【松尾幸之介】