新世紀世代の笹生優花(19=ICTSI)が「技」と「力」で首位ターンした。首位と2打差6位から出て、6バーディー、2ボギーの67で通算6アンダー、136の単独首位に浮上。1番でグリーンエッジからチップイン、6番で深いラフから2オンさせる2つのナイス・パーで「19歳351日」の大会最年少優勝に前進した。畑岡奈紗が5打差9位に浮上。渋野日向子はカットラインに1打及ばず67位で予選落ちした。
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笹生は迷わずウエッジを手にした。通算5アンダーで迎えた後半1番パー5。15メートルのバーディーパットを打ちすぎ、ボールはピン向こうのエッジまで転がり出た。「パターで打ちたくなかったので」。返しはピンまで5メートル。打ち出しの1メートルはエッジ部分で芝が厚く、転がすにはタッチが難しい。シューズの足跡もあった。だから、ウエッジで球を浮かせ、嫌なエリアを消し、ラインに乗せて、チップイン・パーを決めた。 6番パー4は、フェアウエー右ラフから2オンさせた。残り127ヤード。くるぶしまで隠れる深い芝。最悪のライから、ショートアイアンを鮮やかに振り抜き、ピン左奥4メートルへ。バーディーこそ逃したが、余裕のパーセーブを決めた。「ラフに入ったら、まずフェアウエーに出すことを第1に考えている」。狙いはグリーン前の花道方向だったが、パワーで持って行った。 流れをつなげた2つのパー。笹生は「今日は大切なホールでパーを取れたのが大きかったと思う」と満足そうだ。 柔軟な発想を生む技と、男子のような力を持つ19歳に、米国メディアも反応した。5番のバーディー奪取で単独首位に浮上すると、現地のテレビ中継でローリー・マキロイと笹生のドライバーショットの比較映像が紹介された。元世界ランク1位、現在8位の男子プロのスイングは、笹生が好きと公言するだけに似ている。ホールアウト後のインタビューでも「マキロイのスイングのどこが好き?」という質問が飛び、笹生は「全部」と笑って答えた。 全米女子オープンで予選ラウンドを終え、10代が首位に立つのは08年大会のアンジェラ・パク以来13年ぶりだ。多くの現地取材をこなした笹生は「まあ、こんな風になるとは思っていなかったので…。いつも通りです」と苦笑いした。「スコアが出ちゃっているので、満足じゃないって言ったら逆におかしい。こんな感じで残り2日もがんばれたらいいなと思います」。周囲の盛り上がりと対照的に、コメントも表情も変わらない。残り2日。平常心のまま「19歳351日」の大会最年少優勝に近づいていく。

