今季3勝目を目指して首位から出た木下稜介(30=ハートランド)は、1打及ばず2位に終わった。

1イーグル、5バーディー、3ボギーの67と4つ伸ばし、通算16アンダー、268。8つ伸ばし、先にホールアウトしていたチャン・キム(米国)を2打追い、迎えた最終18番パー5は2オンに成功した。だが8メートル残ったイーグルパットは「入れるしかない状態。ラインを必死に呼んで、入れるつもりだった。でもラインが違った。半分よりも手前の時点で『入らないな』と思った」と、わずかに左に切れた。直後に天を仰いで目を閉じた。

それでも18番はバーディーで締め、片岡尚之と並んで2位で終えた。今季残り2戦となり、木下は賞金ランキング2位で今大会前と変わらないが、優勝したキムが4位から1位に浮上。大会前の1位は金谷で、差は約142万円だったが、大会後に1位となったキムとは約1184万円差へと広がる形となった。

逆転優勝を許したホールアウト後は「悔しい。前半のうちにスコアを伸ばして差をつけたかったけど、よかったのはイーグルぐらい。リーダーボードを見ながら、勝ちたいという気持ちでプレーしていたけど…」と、唇をかんだ。4番パー5で、第2打を1メートルにつけてイーグルを奪った際には、力強く右手でガッツポーズをつくっていたが、後半の10、12番のボギーを悔やんでいた。

次週のカシオ・ワールドオープンで、キムが優勝した場合、木下の成績次第では賞金王の可能性が消滅するケースも出てくる。残り2戦に向けて「やっぱり優勝したい。優勝しないと、賞金王は取れないと思う」と力説。「2勝を目指すのか」と問われると「そうですね! その気持ちがないと、賞金王は無理」と、自らに言い聞かせるように話していた。