平田憲聖(ELECOM)がメジャー初優勝を遂げた。単独首位で出て5バーディー、4ボギーの71と1つ伸ばして回り、通算11アンダーの277で初日からのトップを守った。22歳246日での日本プロ制覇は73年のツアー制施行後では最年少。ツアーとしては5月のミズノ・オープンに続く2勝目を挙げた。賞金3000万円と5年シードも獲得。前週、初めて挑んだ米メジャー全英オープンで予選落ちし、世界の高い壁を痛感。悔しさを糧に初の日本タイトルをつかんだ。
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北の大地で新王者が誕生した。平田が4日間で1度も首位を譲らない強さを見せ、メジャー初戴冠。「初日からいいプレーができた」実感はあるが、信じられない。2カ月前にツアー初優勝したばかりで「こんなに早く2勝目を挙げられるとは…それがメジャーとは夢にも思わなかった」。普段あまり感情を出さない男が思わず笑みをこぼした。
ツアー制度が施行されてから50年。22歳246日の日本プロ制覇は史上最年少となった。快挙はとどまらず、完全優勝も12年の谷口徹(55)以来11年ぶり。青木功(80)尾崎将司(76)ら伝説のゴルファーが紡いできた歴史に名を刻んだ。
初の最終日最終組でスタートも、前半が苦しんだ。6番と7番で3パットと連続ボギー。9番もボギーで同組の40歳、上井邦浩に首位を譲った。「追う立場になったのでバーディーを取らないと優勝できない。諦めずにプレーしました」。開き直って14番パー4では約15メートルのパットを沈めるなど2連続バーディー。18番は1打目を右に曲げてボギーも2打差で逃げ切った。
前週、初めて全英オープン出場を経験したが、予選落ちした。「想像していたより世界のレベルが果てしなく高くて、ホールアウト直後はいろいろ痛感させられた」。自信のあったショットが砕かれた。「強い風の中、フェアウエーをキープして小さなグリーンでバーディーを取る部分において、まだまだショット力がない」。時差ぼけなど体調の不安はあったが、それ以上の経験を糧に優勝した。
21年、大阪学院大3年の時に日本学生を制して12月にプロ転向した。「アマチュア時代から金谷選手だったり中島選手、蝉川選手はすごいなと感じていた。今週は勝つことができて良かった」。追ってきた同年代のトップ勢を振り切ったことも感慨深い。次戦へ「毎週上位で戦いたい。目の前の1打に集中して頑張りたい」。初の国内3大大会タイトルを自信に、勝ち星を積み重ねる。【山崎純一】
◆日本プロ選手権 日本最古の歴史を誇る国内3大大会の1つ。第1回大会は大正最後の年となる1926年7月に大阪・茨木カンツリー倶楽部で開催。優勝は宮本留吉。戦争で休止の年もあったが、今年で第90回を迎えた。ツアー制施行後の最年少優勝は平田の22歳246日(8カ月4日)で、これまでの記録は21年金成■の22歳290日(9カ月17日)だった。ツアー制施行前を含めると28年の浅見緑蔵、35年の戸田藤一郎、32年のラリーモンテスに次ぐ4番目の年少記録。
(※■は王へんに玄)
◆平田憲聖(ひらた・けんせい)2000年(平12)11月26日、大阪・吹田市生まれ。ゴルフは祖父の影響で8歳から始める。中学3年だった15年日刊アマ全日本優勝。大阪学院大3年時の21年日本アマ4位、日本学生優勝。大学4年の昨季プロ転向し、シード権を獲得。今年5月のミズノ・オープンでツアー初優勝。得意クラブはパター。目標のプロは石川遼。170センチ、70キロ。

