元賞金女王のイ・ボミ(35=韓国)が、13年間プレーした日本ツアーに笑顔で別れを告げた。

2バーディー2ボギーの72で回ったが、初日の出遅れが響いて通算11オーバーの145で99位。日本最後の大会は予選突破の通算1オーバーに届かなかった。日本通算289試合で21勝を挙げた35歳は「本当に幸せ。いいゴルフができた」と感謝。「ボミちゃん」は最後までトレードマークの笑顔を貫いた。

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1番パー5に姿を見せた時、涙を浮かべた。イ・ボミは、スタート前に顔見知りの中学生に声をかけられて「私が辞めるのを見ると悲しいんじゃないかと思って、私も泣いてしまいました」。ただ、涙を見せたのは、そこまでだった。

「昔のボミ、自信満々のボミになって回った」。2番パー4で残り128ヤードを9番アイアンでピタリ。「好きな距離で、体の感じや打った瞬間の手の感じ、これが私のアイアンショット」。今大会初のバーディーでファンの歓声を浴びた。

最終18番。セカンド地点に向かう途中で大きく深呼吸した。「18番のティーショット、アイアンショット、パットがうまくいけば、『私はいい選手だった』と思うことができる」。日本ラストホールをパーで締めて、笑顔で両手を挙げた。

自分がイメージするショットが打てなくなり、引退を決めた。最後となったこの日、随所に光るプレーを見せて「明日もゴルフしたいなって思いました」。

2010年代中盤、日本勢が伸び悩む中、とびきりの笑顔と実力で、人気を集めた。宮里藍さんや横峯さくらが築いた女子ツアーの人気をけん引した。韓国の後輩たちが、日本でプレーしやすい下地も作った。

最後のプレーを終えて、選手ら50人以上からの花束贈呈。予選を通過した選手も残っていた。「明日も試合なのに早く終わろう」と仲間を気遣った。夫で俳優のイ・ワンさんもねぎらいに訪れて、皆の前でハグ。盛大にはやし立てられた。

今後は韓国で試合に出て、引退になる。日本での13年間を振り返って「皆と試合して、負けるのは嫌だったし、優勝してうれしかったし。最近はいいゴルフができなくて、しんどかったけど、本当に幸せな時間だった」。これからは穏やかな日々が待っている。「朝早く起きるのがしんどい。ゆっくり寝たいです」。愛称の“スマイル・キャンディ”らしく、笑顔の引退試合だった。【阪口孝志】

◆イ・ボミ 1988年8月21日、韓国水原市生まれ。建国大卒。07年にプロ転向。10年韓国ツアー賞金女王となり、11年から日本ツアー参戦。15、16年に賞金女王。日本ツアーで通算289試合、通算21勝は歴代15位、生涯獲得賞金の8億6632万2664円は歴代11位。身長158センチ。

▽母のファジャさん「すごくありがとうと伝えたい。そしてすごくお疲れさまでした。家族のためにありがとうと感謝しています」

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