FB対決を制し、日本一へと上り詰める。全国高校ラグビーは今日7日、大阪・花園ラグビー場で東海大仰星(大阪第3)-東福岡の決勝戦が行われる。東海大仰星は6日、枚方市の同校グラウンドで最終調整。今大会7トライの東福岡FB藤田慶和(3年)に対し、同じFB野口竜司(1年)が「絶対止める」と、挑戦状をたたきつけた。得意のタックルで、チームを5大会ぶり3度目の頂点に導く。

 たつ年の初めに、竜司(りゅうじ)の見せ場がやってくる。決戦を前に、東海大仰星の最後方に陣取る1年生FBの血が騒いだ。

 「すごいプレーヤーだけど、挑戦者のつもりでやりたい。絶対止める気持ちでやります」

 野口竜が思い浮かべたのは、東福岡のエースで同じFBの藤田。全国にテレビ中継される決勝戦で超高校級の“怪物”を止めれば、一気に知名度も上がる。「藤田さんはスペースに走り込んできて、ハンドオフもやってくる。よく見て、うまく外してタックルにいきたい」。強敵にも恐れることなくニヤリ笑った。

 チームには、頼りになる兄貴もいる。CTB野口大輔(3年)だ。中1でラグビーを始めたときから、兄を見て育ってきた。中学時代に繰り返したケンカも、高校入学後はしなくなった。家に帰ると学校での出来事や女子の話題でいつまでも盛り上がり、母孝代さんも「あんたら仲良すぎるやろ」とあきれるほどだ。

 「竜司」の名は、両親が「やんちゃな子供になってほしい」という思いを込めて命名したという。1年生で踏む大舞台にも「めっちゃうれしい」と気後れなどない。史上5校目の3連覇を狙う強敵打破へ、暴れ回るつもりだ。【木村有三】