柔道のグランドスラム東京大会(30日~12月2日・国立代々木競技場)に出場する男女の日本代表選手が28日、東京都文京区の講道館で練習を公開し、国内で初めて指揮を執る日本男子の井上康生監督は「最後まで闘い抜く執念が必要。私は試合の途中で諦めることは絶対に許さない」と厳しい姿勢を示した。

 ロンドン五輪で金メダルゼロに終わった男子の再建を担う井上監督は、中国の大会で代表を初めて率いた。今大会は来夏の世界選手権に向けた本格的なスタートとなり「来年からの流れを大きく左右する。いいものは取り入れ、私の色がどんどん浸透していけばいい」と意気込んだ。

 男子ではロンドン五輪73キロ級銀メダルの中矢力(ALSOK)が五輪後の初の実戦に臨む。この日は打ち込みや得意の寝技を披露し「出た試合は確実に勝つ気持ちでいく」と気合十分だった。

 女子は世界選手権2連覇の浅見八瑠奈(コマツ)らが乱取りに汗を流した。金メダル1個に終わったロンドン五輪からの再出発となる日本女子の園田隆二監督は「国内で最も重要な大会。若い選手は次へのステップにしてほしい」と全体の底上げをにらんだ。