世界5位の錦織圭(25=日清食品)が、2回戦を前に棄権を発表した。2週前のゲリー・ウェバーオープン準決勝(6月20日)で痛めた左ふくらはぎが、2日前の1回戦で悪化した。自身大会2度目のセンターコートで同60位のヒラルド(コロンビア)と対戦予定だったが、試合前の練習後に棄権を決断した。次戦は8月3日開幕のシティ・オープン(米ワシントン)出場予定だ。
聖地はついにほほえまなかった。練習が正午すぎに終わり、約1時間半後、錦織は曇った表情で苦渋の選択を発表した。「試合と同じ動きをすると痛みが出た。試合はできても勝てないと思った」。聖地での今大会2度目のプレーを前に、つらい言葉だった。
朝から痛みがあったが、最後まで出場できる可能性を探っていた。試合前に約40分間練習し「ハレでのゲリー・ウェバーオープンのように数ゲームやってやめるのが見えた」。子供のころからトランプでも負けそうになると机をひっくり返した負けず嫌いは「今日、試合できないのが悲しい」。ただ、今年後半を考えたら悪化することは避けたかった。
悔やまれるのは、1回戦がフルセットまでもつれ込んだことだ。大会直前には「痛みもなく、良くなっている手応えを感じていた」。事実、選手との実戦練習も増え、違和感はありながらも大会には間に合った。しかし、「1回戦で5セットまで行って激しい動きをした。3~5セット目には痛みを抱えていた」と悔やんだ。
トップ100の平均身長は約187センチ。178センチの錦織は「すべての試合を100%で戦っている。ケガはつきもの」という。以前、「自分のテニス人生はケガと付き合っていくこと」とも話していた。それでも、この数年の体力強化で、今年は2週前まで1度の棄権もなかった。
シーズンは、まだ折り返し地点だ。今大会が終われば、米国のハードコート・シーズンが幕を開ける。8月下旬には昨年準優勝した全米もある。「まずはしっかりケガを治して。まだ1カ月ぐらいある。テニス自体は良くなってきている」。苦しかったが、賢明な決断でもあった。【吉松忠弘】
◆錦織のケガ 4大大会本戦初出場となった08年ウィンブルドンでは、1回戦で腹筋の肉離れで途中棄権した。右ひじの軟骨損傷と滑膜の炎症で、09年3月から約1年間、ツアーから離脱し、10年3月には世界ランクが消滅した。全米では10、11年と2年連続で、左足付け根や腰を痛めて途中棄権した。4大大会での途中棄権は、その11年全米以来となった。
◆WOWOW放送予定 2日午後7時半~、3日午前0時~、男女シングルス2回戦ほか。すべてWOWOWライブ。生中継。放送時間変更の場合あり。


