聖隷クリストファーが稲取を撃破し、2年連続12回目の優勝。優勝校は来年1月5日から東京体育館で開幕する全国大会に出場する。

 聖隷クリストファーの背番号1が、最後に躍動した。競り合いの展開を制し、第1、2セットを連取。稲取リードで進んだ第3セット終盤、黒柳和馬主将(3年)が勝負どころでスパイクを決めた。直後から一気に5連続得点で逆転に成功し、ストレート勝ちをおさめた。昨年も主力として全国出場している黒柳だが、「比べものにならないほど今年の優勝はうれしいです」と言った。

 県3冠を成し遂げた昨年メンバーに比べると、主力に高身長の選手は少ない。9月下旬の山口遠征を皮切りに全国大会出場常連校との練習試合に挑んだが、歯が立たなかった。自信喪失に陥る時期に、度重なるミーティングで導いた心得は「今に徹せよ」。過去を引きずらずに切り替えることで、稲取とのシーソーゲームを制した。成長を続ける選手たちの姿を見ながら、田川明浩監督(48)は「今までの優勝の中でも、特に思い出に残る優勝です」と目を細めた。