全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)が、来年1月5日から開幕(東京体育館)する。男子は2年連続12度目出場の聖隷クリストファー(静岡)が、初戦で高岡第一(富山)と対決する。エース黒柳和馬主将(3年)は、管理栄養士の資格を持つ母みゆきさん(50)のお陰で負傷なく、プレーをし続けてきた。感謝を胸に全国8強を目指す。

 昨年度大会で、チームの3大会ぶり初戦突破に貢献した黒柳は言った。「チームは仕上がってきている。今年は1回戦突破ではなく、2回戦、さらにその上を目指したい」。

 静岡県3冠を達成した昨年度に比べ、チームの平均身長が低く、182センチの黒柳の存在は不可欠だ。田川明浩監督(48)からエースに指名され、「今年は絶対にけがをするな」と告げられた黒柳は、サッカー日本代表DF長友佑都(29=インテル・ミラノ)の著書を参考に体幹を鍛えるようになった。だが、指示通りに「負傷なし」でここまで来られたのは、家族の協力があったからこそと考えている。

 1年から通学は家族に、車で送迎してもらっている。帰宅後に入浴し、すぐに眠れるように車内で夕食を取った。管理栄養士の資格を持つ母みゆきさんが、低脂肪、高タンパクで栄養バランスが整ったおかずとご飯を保温弁当箱2つに入れ、さらに野菜類、果物、牛乳割りのプロテインを用意してくれていた。

 当初は、電車で楽しそうに帰るチームメートたちがうらやましく、反発したこともあったという。それでも今は「中学まではけがが多かったけど、今があるのは家族のおかげ。感謝しています」と話す。

 初戦は高岡第一だ。8月の全国総体では決勝トーナメントに進出している強豪校だが、黒柳は「初戦に勝てば、勢いに乗れる。相手の強みを消して8強に行きたいです」と気持ちを高めている。【大野祥一】