50年前の優勝者で1968年メキシコ五輪男子銀メダルの君原健二さん(75)が4時間53分14秒で完走した。ゴール後は妻の和子さん(73)らと合流し「もう一度ボストンを走ることが目標だった。最大の目標が実現でき、50年前と変わらない喜びで満足」と充実感を漂わせた。

 ボストン・マラソンは50年前の優勝者を招待するのが慣例。君原さんは優勝した年を示す「1966」のゼッケンをつけ、かつて着用していた日本代表のウエアから切り取った日の丸を胸に縫い付けて臨んだ。半世紀ぶりにボストンの街並みを大勢の市民ランナーと共に走り抜け「お祭りのような盛り上がりで、沿道から熱のこもった応援をもらった」と感謝した。北九州市在住とあって、熊本県などで起きた地震にも気を配り、「(自身の走りが)励みになれば」と話した。

 これで74回目のフルマラソン完走となった。優勝したボストン・マラソンの1カ月前に結婚し、50年にわたって支え続けてきた和子さんも「完走できると信じていた。これが最後(のフルマラソン)じゃないかな」と感慨深げだった。