トランポリンのリオデジャネイロ五輪最終予選は19日、リオデジャネイロで行われ、女子で18歳の中野蘭菜(星稜ク)が初の五輪代表に決まった。

 40代以上には「ラナ」と言えば、思い当たる名前がある。78年に宮崎駿氏が監督したアニメ「未来少年コナン」のヒロインだ。「お父さんが好きで。でも、私は全部見たことないんです」と、放送から約20年後に生まれた中野は笑う。「ラナ」はテレパシー能力があったが、「蘭菜」は類い希な跳躍能力を持っていた。

 世界に羽ばたいたのは14年のユース五輪。中国・南京で行われた大会で銀メダルを獲得した。157センチの小柄な体を俊敏に回し、最終10本目の跳躍で後方2回宙返り2回ひねりを決めるなど、世界の若手と堂々と渡り合った。

 競技のきっかけは「シャイ克服」。母由紀さんは「谷底に突き落としたんです」と振り返る。極度の人見知りで、4歳の時に「まったく友達もいない環境に」と選んだのが金沢市内のトランポリン教室だった。最初はコーチとも話せないほどだったが、「とにかく楽しかった」と、跳躍の楽しさに魅せられ、今がある。

 ユース五輪では20年東京大会の目標を「金メダル」と色紙に書いた。それから3年、東京に向かう意味でも大きなリオデジャネイロへの切符をつかんだ。

 ◆中野蘭菜(なかの・らな)1997年(平9)9月10日、石川県金沢市生まれ。4歳で競技を始める。紫錦台中から星稜高に進学。14年には世界選手権最終選考会の決勝で3位となり代表に選出された。趣味は「家でゴロゴロとテレビを見ること」。