平尾氏が余命宣告を受けたのは15年9月、W杯南アフリカ戦で日本代表が歴史的勝利を挙げる数日前だった。「普通の人はぼうぜんとして何もできない。君は最後の瞬間まで本当に格好良かったです」。亡くなるまでの約1年間、医学的見地から闘病生活を支えた山中氏がある日、伝えた。「この治療は世界初。ただ、どんな副作用が起こるか分からない」。その時見せた平尾氏の明るい表情は、驚かされたと同時に忘れられないものだった。
「そうか、先生! 世界初なんや!」
亡くなる前日の16年10月19日。病室で話した際は、苦しみながらも山中氏の問いかけにほほ笑んだという。
平尾氏の息子の昂大さん(22)は「選手の方々に良くない影響を与えてはいけない。『万が一になったら、決して(周囲に)知られないようにしてほしい』というのが父の言葉でした」と明かした。会場には生前の幅広いつながりを示すように、各界から800人の関係者が集った。【松本航】
◆主な参列者 森喜朗(日本協会名誉会長)岡田武史(日本サッカー協会副会長)山中伸弥(京大iPS細胞研究所所長)山口良治(伏見工元監督)高崎利明(伏見工前監督)林敏之、萩本光威、元木由記雄、イアン・ウィリアムス、大畑大介(いずれも元神戸製鋼)アンドリュー・マコーミック(元日本代表)野村忠宏(元柔道家)朝原宣治(元陸上)坂井信也(プロ野球阪神オーナー)※敬称略、順不同



