バレーボール女子V・チャレンジリーグ1、仙台ベルフィーユ(宮城)の廃部が23日、確実になった。21日に行われた日本バレーボール(Vリーグ)機構の臨時理事会で、同チームを退会に相当する退社の勧告にすることを最終決定した。23日にはVリーグのHPにも掲示された。

 これにより仙台ベルフィーユは今後、Vリーグ主催試合への出場ができなくなった。かつて日本女子代表を指揮した葛和伸元(のぶちか)監督(62)は「V機構がチームをつぶした。納得がいかない」と語気を荒らげて「ベルフィーユは残らないと思います」と、解散を宣言した。

 宮城県初のVリーグチームとして11年に創設した仙台ベルフィーユは経営が悪化し、5月24日のVリーグ機構理事会でリーグ参加資格を審査された。今月13日に1度「退社」の勧告を受け、運営会社「トゥエルヴ」が事業を停止した。チーム保有団体のNPO法人「仙台ベルフィーユ」が存続を望み、スポンサーが40社に増えることなどを盛り込んだ、追加の経営改善計画の資料を20日に提出していた。運営会社の負債もスポンサーが補う話でまとまっていたが、Vリーグ機構が「不明瞭」と認めなかったという。

 国体などは可能だが、Vリーグに出場できないとなれば、今季所属する13選手の大量移籍は必至。葛和監督は「選手には自由だと言っている。移籍に関して中傷はしない」と容認し、チーム側も完全にバックアップする方針だ。

 選手は前日22日に退社勧告を伝えられた。チーム創設から所属するマネジャー兼任の雨堤みなみ(28)は「聞いた時はショックでした。みんなが残らないなら、私はバレーボールから離れようと思っています」と涙ぐみ、仙台でプレーができないことを悔しがった。

 仙台ベルフィーユはプレミアリーグの1つ下のカテゴリー、2部のチャレンジリーグに創設から参戦していたが、15~16季、16~17季の4位が最高だった。

 ◆仙台ベルフィーユ 05年香川・高松市で発足した「四国Eighty 8 Queen」の活動停止を引き継ぎ、11年に仙台市に誕生した地域密着のクラブ。14年4月に葛和伸元監督が就任。ベルフィーユは英語のBell(鈴)と、フランス語のBelle fille(美しい乙女)の造語。