錦織自身初の4強見えた! 3日開幕のテニスの4大大会、ウィンブルドンの本戦組み合わせが決まり、世界9位の錦織圭(27=日清食品)は1回戦で、同105位のマルコ・チェッキナート(イタリア)と初対戦することになった。順当に勝ち上がれば3回戦でバウティスタ(スペイン)、4回戦でチリッチ(クロアチア)、準々決勝でナダル(スペイン)と、十分に勝てる相手がそろった。錦織は6月30日、同15位のプイユ(フランス)らと練習した。

 久々の悪くないドローだ。体が万全で、普通にプレーできれば、十分に4強も見えてくる。今大会は第9シード。上位8シード外になったのは14年全米の第10シード以来。しかし、その全米ではアジア男子シングルス初の準優勝を飾る快挙を遂げた。その再現も見える組み合わせだ。

 初戦のチェッキナートは昨年7月にイタリア・テニス協会から、八百長疑惑で18カ月間の出場停止と4万ユーロ(約500万円)の罰金を科された。しかし、無実を訴え、それが認められ、放免された“いわく付き”の選手だ。まず、錦織の敵ではないだろう。最初の関門は、2回戦で対戦が予想されるベネトーだ。昨年も2回戦で対戦し、錦織が3-1で勝っている。しかし過去4勝1敗と勝ち越しているものの、いずれも楽な試合ではなかった。特に芝では相手のネットプレーにてこずるかもしれない。

 順当に勝ち上がれば、4回戦でチリッチ。昨年も4回戦で対戦し、錦織は左脇腹痛で途中棄権している。ただ、14年の全米決勝を含めて過去13戦しており、手の内は知っている。

 準々決勝で予想されるナダルには2勝9敗ながら、ウィンブルドンのナダルは11年の準優勝後は2回戦、1回戦、4回戦、2回戦で敗れ、昨年はけがで欠場。しかも、この敗戦はすべて世界100位台の選手に敗れたもので、つけいる隙はある。

 錦織は、4大大会で唯一ウィンブルドンだけ最高成績が4回戦。8強に入れば、初めて4大大会すべてで8強に進出する日本男子となる。先週のゲリー・ウェバー・オープン2回戦(ドイツ)で左でん部を痛め棄権した際は「球が低く滑るので、体勢を低くしなくてはならない」と芝の難しさを語っていたが、敗戦後は開催地のドイツ・ハレに滞在。ジムなどでトレーニングし、舞台に備えてきた。【吉松忠弘】

 ◆WOWOW放送予定 2日午後9時から「錦織圭 世界の頂点へ! ウィンブルドンテニス開幕直前スペシャル!」がWOWOWプライムで無料放送される。3日から19日までウィンブルドンをWOWOWライブを中心に生中継。