1点差で王者に惜敗したトヨタ自動車のジェイク・ホワイト新監督(53)が、チーム改革に手応えを示した。

 3点を追う後半3分から立て続けに3トライ3ゴールを奪い、一時は18点リード。最後は逆転を許したが、試合終了間際にSOライオネル・クロニエ(28)が狙った約45メートルのPGが入れば、勝ちをつかんでいる健闘だった。

 試合後にホワイト監督は、会見場の奥から流れてくるサントリーフィフティーンの喜びの歌を耳にした。会見が始まると素直な思いを明かした。

 「彼らの歌を聴きました。トヨタに勝ってうれしいのでしょう。去年は『当たり前に勝つ』と思っていたでしょう。ですから、光栄に思います。彼ら(サントリー)がようやく本気を出して戦ってくれました」

 南アフリカ代表を07年W杯優勝に導いた名将は、今季からトヨタ自動車にやってきた。主将は帝京大卒の新人フランカー姫野和樹(23)。周囲の驚きをよそに、昨季8位のチーム再建に取り組んでいる。姫野は「ただただ、悔しい」と黒星を悔やんだ。

 次節は21日豊田自動織機戦(パロマ瑞穂ラグビー場)。古豪復活を目指す道のりは続いていく。