女子でショートプログラム(SP)2位の樋口新葉(わかば、16=東京・日本橋女学館高)がフリーも2位の141・99点を記録し、合計212・52点で2位に入った。優勝のザギトワ(ロシア)に1・36点及ばなかったが、3位だった第1戦ロシア杯と合わせて、初めてのGPファイナル(12月、名古屋)出場へ前進した。

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 樋口選手は、「絶対決めてやる」という強い気持ちが伝わってくるような演技でした。ジャンプなど1つ1つの要素をしっかり決めるのはもちろん、表現も含めたプログラム全体の完成度が前回のロシア杯より数段上がっていました。課題を踏まえて修正してきたことが結果につながったのでしょう。昨季、表現力に力を入れてきたこともあり、技術と演技構成点のバランスも取れてきました。これが最高ではなく、まだまだ点数は伸びるはずです。

 三原選手は、フリーで流れのある演技にまとめただけに、SPでのミスがもったいなかった。本番前に他国選手と衝突したことが影響した部分もあるかもしれないが、表彰台に乗るにはSP、フリーともに要素をしっかり決めるのが絶対条件です。もともと安定感があるので、このまま、確実性を高めていけば次戦も上位で戦えるでしょう。

 今季からシニアに上がった本田選手はこのGP2戦で、シニアの戦い方を、身をもって勉強できたと思います。華があり、人を引き込む演技ができる分、ジャンプの回転不足などの細かいミスをなくせば、まだまだ成長できます。五輪代表が決まる全日本選手権まで、ちょうど1カ月半。まだ、どの選手にもチャンスはあります。(カルガリー五輪代表)

 ◆GPシリーズのポイント 6大会のうち各選手・組(ペア、アイスダンス)が出場できるのは最大2大会。ポイントは1位15点、2位13点、3位11点、4位9点、5位7点、6位5点、7位4点、8位3点と設定されており、その合計で上位6人(組)がGPファイナルに出場できる。出場2大会とも表彰台争いをすることが、ファイナル進出に近づく条件となる。