スピードスケートの日本女子が来年2月の平昌五輪に向け、ロケットスタートを切った。12日まで行われたW杯第1戦で5種目を制覇。メダル0に終わった14年ソチ五輪からの逆襲へ、日本スケート連盟の湯田強化部長は「現時点での位置付けは確認できた。五輪のメダルを狙えるいい状態にある」と手応えを語った。

 好成績の最大の要因はダブルエースの進化だ。昨季500メートルで15戦無敗の小平奈緒は開幕戦でも頭一つ抜けたタイムを連発し、2連勝。1000メートルでもW杯初優勝を遂げるなど、日本女子初の2種目制覇も見えてきた。そこに23歳の高木美帆が急成長でレベルを上げてきた。層の厚い1500メートルを制しても「まだ課題はある」と話すなど、5種目での出場を目指す五輪に大きく期待がふくらんだ。

 また、ソチ五輪後に始まった、有望選手を集めて年間を通した強化を行うナショナルチームの存在も大きく影響した。選手が互いにしのぎを削り合い、個々のレベルがアップ。世界記録を出した団体追い抜きなどの強化にも早くから着手してきたことで、先頭の4回交代を3回に減らす積極的な作戦も浸透度を深めやすかった。マススタートでも高木菜那と連係し、佐藤綾乃が初Vを果たした。

 湯田部長は、不調だったオランダなどライバル国について「まだピークを合わせてきていない」と認めつつ、「日本ももっと上がる。年間でそういうトレーニングの組み方をしている」と自信を見せた。第2戦は今月17日からノルウェー・スタバンゲルで行われる。【奥山将志】