タクシー運転手を殴り料金を踏み倒したとして、警視庁府中署が昨年12月31日に強盗致傷の疑いで、ラグビー元オーストラリア代表でトップリーグのサントリーに所属するジョージ・スミス容疑者(37)を現行犯逮捕していたことが17日、同署への取材で分かった。

 逮捕容疑は昨年12月31日午前0時10分ごろ、自宅に近い東京都府中市の路上で、タクシー料金約1万円を払わず逃走。追い掛けてきた男性運転手(58)の顔や胸などを殴り、けがをさせた疑い。

 府中署によると、スミス容疑者は当時、都内で飲酒した後だったといい、調べに「酔っぱらっていて覚えていない」と容疑を否認している。

 スミス容疑者が逃走した際、周囲にいた人が110番し、駆けつけた署員が取り押さえた。

 スミス容疑者は元オーストラリア代表フランカーで、テストマッチ111試合に出場した世界的な選手。サントリーでは11~12年シーズンから2季連続でトップリーグの最優秀選手に輝いた。

 今季は負傷のため、シーズン途中から戦線を離脱。サントリーは今月13日、今季の日本選手権を兼ねたトップリーグ決勝でともに2連覇を達成したが、スミス容疑者は出場しなかった。

 サントリーホールディングス広報部は「被害者の方、関係者の方には心からおわび致します。被害者の方には誠意を持って対応させていただきます」とコメントした。