スピードスケート女子短距離で14年ソチオリンピック(五輪)代表の住吉都(みやこ)選手が、20日に長野市内の自室で死去していたと、23日に所属先のローソンが明らかにした。30歳だった。死因などは公表していない。この日都内で取材に応じた日本スケート連盟の橋本聖子会長は「所属先から連盟に連絡が入っただけで、状況が分かっていない。どうしてこうなったのか…」と沈痛な表情で話した。

 北海道釧路市出身の住吉選手は、信州大では平昌五輪代表の小平奈緒(31=相沢病院)と同級生で、インカレ総合3連覇を果たすなど活躍。卒業後は所属先の廃部で活動資金に苦しんだ時期もあったが、飛び込みで企業チームの練習に参加するなど努力を重ねた。13年に日本オリンピック委員会(JOC)のトップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」を活用し、ローソンに入社。サポートを追い風に、ソチ五輪選考会で結果を出し、初の五輪切符をつかみ取った。同五輪では500メートル14位、1000メートル22位だった。

 近年はW杯代表からも外れるなど、苦しいシーズンが続いたが、国内大会を転戦しながら、長野を拠点にトレーニングを積んでいた。明るく、実直な性格から選手、関係者からの人望も厚かった。昨年12月の平昌五輪代表選考会にも出場したが、500メートル18位、1000メートル16位に終わり、代表の座を逃していた。

 高校時代に指導した釧路北陽高の榊稔監督(60)は取材を受け、「8月に帯広で会った時は腰の調子が悪く、元気がないように見えた」と話した。遺族の希望で葬儀・告別式の日取りなどは非公表だという。