女子レスリングの伊調馨(33)にパワハラをしたとされる日本協会の栄和人強化本部長(57)が、心身衰弱状態に陥っていることが7日、明らかになった。栄氏が監督を務める至学館大がこの日、発表した文書の中で「身に覚えのない報道に加え、周囲に多大な迷惑がかかっていることから監督は衝撃を受け心身が衰弱し、日常生活を送ることも困難になっています」と現状を説明した。

 パワハラ告発が明らかになった1日には報道陣の前で事実を否定していた栄氏だが、現在は安静療養が必要だという。同大は「高校生を含むレスリング選手たちはもとより、無関係の学生たちまでSNS等を通じて批判、侮辱されるような事態になっています」と節度ある報道を求めた。

 「何があっても、オレは練習を見る」と常に話していた栄氏だが、当面は大学での指導をせずに療養する予定だという。今日8日に都内で行われる日本協会理事会では今回の件も議題になるとみられるものの、常務理事でもある栄氏の出席は微妙。17日から高崎で行われる女子W杯の指揮にも影響しそうだ。国別対抗戦のW杯の日本代表には10階級に20選手がエントリーされているが、半分の10人は至学館高、至学館大の現役選手かOB。4連覇に向けて「監督」抜きで戦わなければならない可能性も出てきた。