3月に神奈川・坂本中を卒業したバスケットボール男子の田中力(16)が6日、横浜市内で米国・フロリダ州のIMGアカデミーへの進学報告会見を行い、「バスケも勉強も同じくらい頑張りたい」と意気込んだ。

 同校で3年間バスケットボールと学業を両立させ、まずはNCAA1部の大学への入学が目標になる。3年間で卒業ができなければ1部と2部の大学への入学ができない。「今、勉強は全然だめなので頑張るしかない」と気合を入れた。田中は小学生の頃にインターネットで同校バスケットボールチームの動画を、兄シャンサー・ジュニアさんと見ていたという。「お兄ちゃんとは冗談で『俺もここに行くわ』と話していた学校だった。本当にIMGアカデミーからオファーが来て、『これは断れない。行くしかない』と決めた。」。

 同校バスケットボールディレクターのブライアン・ナッシュ氏から背番号「2」のユニホームを手渡されると、田中は照れた。「僕のあこがれの選手は、NBAのカイリー・アービング(26=セルティックス)。カイリーが2番のイメージが強くて、自分の目標の選手なので、2番を背負って頑張りたい」と話した。2番は田中の希望だという。

 昨年は15歳(当時)で最年少の日本代表候補に選ばれ、合宿にも参加。男子日本代表はW杯アジア1次予選で4連敗中で、W杯出場が苦しい状況にある。米国での武者修行でバスケットボールの技術と人間性を磨き、「日本代表で活躍して、日本のバスケを強くしていきたい。僕が海外に出ることで、夢のある人たちにどれだけ周りに言われても、つらいことがあっても、夢に向けて精一杯やればかなう、というメッセージを伝えられるようになりたい」と言った。

 田中は米国人の父を持ち、2歳から6歳まではハワイに在住していたため、英会話は全く問題はない。会見を見ていた母礼子さん(41)は「不安は今日の会見を見てなくなった。でも寂しさはあります」と16歳で日本を離れる息子に思いをはせた。