柔道界のスーパー高校生こと、阿部詩(18=兵庫・夙川学院高)がすべて一本勝ちの完璧な内容で初優勝し、「世界女王」の称号を手にした。

18歳2カ月での制覇は93年大会を18歳0カ月で制した谷亮子(旧姓田村)に次いで、日本勢では史上2番目の年少記録となる。

初戦の2回戦から4試合連続の一本勝ちで決勝に進出。2回戦は43秒、3回戦は1分27秒、4回戦は1分20秒、準決勝は世界ランク1位のフランス人選手をわずか26秒で一本勝ちした。

決勝は昨年覇者の志々目愛(24=了徳寺学園職)との日本人対決でも内股による一本勝ちで初優勝に花を添えた。  

男子66キロ級で世界ランキング1位の兄一二三(21=日体大)と同じく、スピードと体幹の強さから繰り広げられる豪快な柔道が持ち味。4月の選抜体重別選手権(兼世界選手権代表最終選考)準決勝では、アジア女王の角田夏実(26=了徳寺学園職)に敗れて3位に終わったが、それまでの欧州大会での実績が考慮されて代表2番手で選出された。世界選手権の兄妹同時出場が実現した。

8月の高校総体は当初、今大会に集中するため出場は予定していなかったが、高校最後の大会となることから監督に直訴して団体戦に出場し、24年ぶりの優勝に貢献していた。