2020年東京オリンピック(五輪)の暑さ対策を目的とした競技時間の見直しで、大会組織委員会がマラソンの開始時刻を現在の計画の午前7時から1時間早め、6時とする方向で最終調整していることが3日、分かった。5時半案もあったが、観客の移動の負担やテレビ放送などへの影響を考慮し、6時で決着を図る。複数の関係者が明らかにした。

関係者によると、1日に東京で行われた国際オリンピック委員会(IOC)理事会で、IOCの天候対策の作業チームが熱中症予防などの観点からマラソンの開始時刻は「午前5時半から遅くとも6時にすべきだ」との見解を組織委に示したという。

国際陸上競技連盟や日本陸上競技連盟からは午前5時台を希望する意見もあったが、組織委は6時が妥当と判断した。国際陸連の了承などが得られれば変更が固まる見通し。6時スタートの男子50キロ競歩はレースが3時間以上にわたることから、5時半に早める可能性がある。

マラソンの開始は招致段階の計画では午前7時半だったが、暑さ対策で7時に早め、7月にIOCの承認を得た。しかし、今夏の猛暑でさらなる対策を求める声が高まり、組織委は競技時間の見直しを進めていた。

東京五輪のマラソンは女子が8月2日、男子が大会最終日の9日に行われる。8月のジャカルタ・アジア大会でも午前6時スタートで実施された。