男子50メートル自由形で塩浦慎理(22=イトマン東進)が21秒67の日本新記録で決勝に進出した。

準決勝ながら中村の持つ記録を0秒20更新。午前中に行われた予選から1位通過と好調で「(日本記録を)狙っていた」と満足げな表情で語った。

昨秋のアジア選手権後から喉の手術を行うなど約4カ月休養した。2度の入院で体重が10キロ近く落ちた。ゆっくり考える時間ができ「力に頼った泳ぎをしていた。少し雑だったかな」と生活面含め、取り組み方を見つめ直した。

これまでウエート7、泳ぎ3だった割合を逆にしてウエート3泳ぎ7に入れ替え、減った体重も無理に増やさず身体作りを行った。親交のある柔道100キロ級の羽賀龍之介から減量の方法も教わり、体重維持に取り組んだ結果「体も軽くなり、気持ち良く泳げる時間が長くなった」と効果があったことを明かした。

8日の決勝はさらなる記録更新が期待される。塩浦は「イメージ通り泳げている。あまり力まずに21秒6,21秒5と狙っていきたい」と力強く語った。

病気になったマイナスを日本新記録という大きなプラスに変えた塩浦は、決勝で記録も体ももう一段階上積みを目指す。【松熊洋介】