2020年東京オリンピック(五輪)のチケット抽選申し込みが、9日午前10時に始まる。公式チケット販売サイト(http://ticket.tokyo2020.org)で受け付け、期間は28日23時59分までの20日間。開始直後や締め切り直前の混雑に対応するため、組織委員会はインターネット上にウェーティングルーム(待合室)を2カ所設置して対応する。パラリンピックと合わせて約1000万枚のチケット争奪戦が、いよいよ始まる。

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チケット抽選申し込み開始を翌日に控えた8日、組織委員会の古宮正章副事務総長は「慌てないで」と呼びかけた。申し込みのタイミングは当選確率には関係ないが、受け付け開始時には販売サイトへのアクセスが殺到する可能性がある。大会ID登録者は、すでに295万人。12年ロンドン大会が同時期200万人だから、関心は高い。最悪なのはサイトのトラブル。組織委は回避のために2カ所の「関所」を設定した。

販売サイトへのアクセスが許容範囲を超えると、ウェーティングルームへつながる。待機人数やサイトに入れるまでの目安の待ち時間が表示される。五輪で初の試みは、アクセスの負荷を軽減させるのが目的。これをトップページの前とチケット申し込みページの前に「二重」に設定した。

32競技(凍結中のボクシングを除く)326種目、726セッション。大量のチケット申し込みをわずか20日間で受ける。五輪、いや世界のスポーツ界にとっても初体験。考えられる万全の準備はしても「絶対に大丈夫とは言い切れない」と古宮副総長は話す。五輪史上最も複雑な東京大会チケット。開始直後と締め切り前を避け、余裕を持って抽選申し込みをしよう。