明大が34年ぶりの優勝へ、後半に地力を発揮し白星発進した。昨季7位で最下位の日体大を相手に前半は6-0と苦戦も、後半開始のキックオフでWR久里(くのり=4年)が90ヤードのリターンTD。これで勢いづいて、第3Qだけで28点をマークした。守備は終盤に1TDを許したが、41-7で今季初戦を飾った。

前半は攻め込みながらも自慢の攻撃が不発で、2FG止まりに終わっていた。今季は優勝候補筆頭とも言われるが、思いもよらぬ展開だった。「日体大は初戦に強いと警戒し、硬くなった。そこでいろいろ仕掛けられて流れをとられた」と久里。一方で「アジャストして、後半にまた集中できるのが強豪チームの要素だと思う」との考え。自らが初のリターンTDで実践し、チームに火を付けた。

直後には守備がインターセプトし、キッキングでは相手パントをブロック。いずれのチャンスもQB西本がTDパスで締め、5分足らずで3TDを挙げた。さらにスイッチしたQB桜井もTDパスを挙げ、第3Qで34-0として勝負を決めた。メンバーも代わった第4QにランでTDを許したが、最後には49ヤードのインターセプトリターンTDも飛び出し、終わってみれば快勝だった。

昨年は2位に躍進し、今春も関学大、早大と東西の優勝校を破った。序盤は苦戦も、開幕戦から安定した実力のあるところを見せた。岩崎監督は「守備が安定していて、後半にアジャストできて畳み掛けることができた。勝ち切れてよかった」と安堵(あんど)した。

17年まで2年連続入れ替え戦出場から、昨年は若手が中心のチームで快進撃となった。この試合も1年3人が先発し、後半には多くの1年も起用した。岩崎監督は「未経験の1年も試合に出せた。経験を積めたことは大きい」。安定した実力あるチームに成長したことを示した。それでも「次はスロースタートを何とかしないと。春と秋は別物。一戦一戦」と控えめで、一戦必勝を期した。

開幕戦では劣勢と見られた慶大が、立大に23-8で好スタートを切った。前半はともに堅守と拙攻でパントの蹴り合いから、終了間際に立大のファンブルを抑えてチャンスをつかむ。QB西沢がTDパスを決めて先制した。後半もFGを追加後に、58ヤードのTDパスで突き放した。第4Qに入って立大にTDを返されるも、ランTDでとどめを刺した。守備陣の3ターンオーバーが光った。