「天使と悪魔」が舞い踊る。25日に開幕する新体操のイオン・カップ世界クラブ選手権(高崎アリーナ)の会見が21日に都内であり、9月の世界選手権個人総合でワンツーフィニッシュを飾ったロシアの双子のアベリナ姉妹が登壇した。妹ジーナ(21)が3連覇となる金メダル、姉アリーナ(21)が17年大会に続く2度目の銀メダルを獲得した。

ともに台風19号による被害へのお悔やみを述べてから会見に臨み、ジーナは「会場に足を運んでくれた方にできるだけ喜んでほしい。喜びを与える演技をしたい。私が楽しむことが重要。スペクタクルな、新体操の神髄を皆様と分かち合えたらと思っております」、アリーナは「自分の持てる力を最大限発揮したい。コーチに教えていただいたことを忠実に演技で発揮したい」と抱負を述べた。

目鼻立ちのはっきりした容姿もうり二つ。互いの違いを聞かれると、妹がすかさず「周りからは天使と悪魔と言われるんです」と苦笑。姉いわく「私は性格的に優しく、ソフトですが、妹はもっと元気で、猪突(ちょとつ)猛進的なところがあります」と解説した。普段は寮生活で寝食を共にし、365日24時間一緒に過ごしている。共通の趣味はビーズ刺しゅうの他に、最近は料理。ロシアの伝統的なお菓子などを作り、コーチらに振る舞っているという。

世界選手権では抜きんでた実力を見せ、東京五輪での上位独占も現実味がある。ジーナは「いま一番重要なのは出場権をもらえたことですが、その上でひたすらトレーニングをすること。プログラムを完成させることが重要です。選手層が厚く、補欠の選手もたくさんいて、どのような状況で誰が出てもおかしくない。ただ前向きに全力を尽くして進むしかない」と誓った。ロシアは五輪直前まで選考が続くという。アリーナは「新しいプログラムに取り組み、お見せすることなかった新しいものを創造してみてもらう。成し遂げてきたことに満足せず、直向きに前向きに進んでいくしかない」と語った。