“ラグビートレ”で全国1勝を狙う。23日開幕のバスケットボール全国高校選手権(ウインターカップ)に、白樺学園が初出場する。

24日の初戦は中部大第一(愛知)と対戦。昨年準優勝の強豪で、平均身長177センチの白樺学園に対し、相手は189センチと10センチ以上の差がある。高い壁をかわし得点を挙げるため道予選後、ラグビーのタックル練習に使うクッションを用いたシュート練習を導入。独自の対策で攻撃力に磨きをかけ、難敵を突破する。

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頭上から迫る“猛タックル”をかいくぐり、全国の壁を越える。白樺学園のシュート練習で選手が掲げるのは、ラグビーのトレーニングで用いる「ハンドダミー」と呼ばれるクッションだ。守備側の選手が頭上に掲げ、攻撃の選手が高い壁をかわしシュートを放つ。高橋彪雅主将(3年)は「全国では、うちより身長が高いチームばかり。ブロックを受けても、シュートを決められるように」と気を引き締めた。

就任18年目、宮下真和監督(40)のひらめきだ。高校総体4度優勝を誇る北陸(福井)のコーチを01年まで3年間務め「身長差がある相手から得点を奪うため、ほうきを使ってブロックさせる練習をしていたのを思い出した」と言う。そこで、5年前にコンタクトプレーの練習用に導入した用具を、長身対策として取り入れた。

北海道予選では192センチのU-20日本代表候補、杉沢ロメオ(3年)擁する東海大札幌に3点差で敗れた。「守備面は手応えがあったが、高い選手に対したときのシュート精度に課題が残った。得点力を上げる必要がある」と高橋。全国切符獲得後、それまで全体練習の半分程度だった攻撃面の時間を8割に増やした。中部大第一の柱はマリからの留学生、205センチのバドゥマニ・クリバリ(3年)。高い壁をかわし得点を挙げるため、19日の東京入り後は外国人留学生がいる東洋大京北、成立学園(ともに東京)との練習試合でチェックする。

野球部の1、2年が今秋の全道大会で優勝し、明治神宮大会でも1勝を挙げた。高橋は「後輩に負けていられない。白樺学園はアイスホッケーやスケートや野球部が全国で活躍していて肩身が狭かった。何とか1勝して存在感を示したい」という。武器の運動量と、独自トレで磨いたシュート力で強敵をいなし、勝機を見いだす。【永野高輔】