フィギュアスケート男子の五輪2連覇王者、羽生結弦(25=ANA)が23日、東京・国立代々木競技場で行われたエキシビション「メダリスト・オン・アイス」に出演した。

第1部と2部の間に行われたスペシャルコラボレーションでは、ZARDの名曲「負けないで」を熱唱。宇野昌磨や紀平梨花ら男女のトップスケーターと息を合わせて舞い、ステップを刻んだ。サビでは、ファンと心と声をともにして右の拳を突き上げ、目をつぶるほどの力で声を張って歌い上げた。

前日まで4年ぶりの全日本選手権に出場。ショートプログラム(SP)は国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、自身が持っていた世界歴代最高得点を上回る110・72を記録して首位発進した。しかし、5週3戦の過密日程で激しく消耗。失速したフリーの結果(172・05点、合計282・77点)によって2位に終わったが、一夜明け、しっかり切り替えた様子の笑顔で登場してファンを安心させた。

続けて、個人のプログラム。用意したのは「SEIMEI」だった。平昌五輪で金メダルを獲得した時のフリー曲。あの衣装で、全身全霊で演じ切った。イナバウアーで沸かせ、ジャンプは3回転ループと3回転アクセルを華麗に決めた。大歓声を一身に集めた。

“アンコール”で登場した際には、現在のSP曲「秋によせて」を披露。ラストを演じ、満面の笑みで四方に感謝した。大会前に「過去を振り返りつつ未来へ1歩を踏み出す」と表現していたシーズン。その2019年、令和元年を美しく麗しく締めくくった。

羽生は来年「試合を通して成長するために。いろんなことを経験して吸収して強くなるために」志願して2つの大会に出場する。2月の4大陸選手権(韓国・ソウル)と3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)で頂点を目指す。【木下淳】